きらいになれないときは

日記とフィクション

浮遊

◆2020-10-20のこと

毎日元気です。朝起きると時計を見ます。時計は10分くらい進んでいるのでボーっといつも遅れてしまうぼくにはちょうどいいです。ちゃんと10分早まっていることを忘れているのでいつも焦って家を出ます。そのわりに遅刻しないこともあるので嬉しいです。 よく寝ます。時間は短くなったかもしれないけどちゃんと眠れています。朝は最近寒くてなかなか起きられません。でも寒いのは嫌いじゃありません。

普通に生きています。お昼を取った後の午後があっという間に過ぎていきます。退勤した後、何をしたらいいのかわからなくて電車に乗ります。いろんな人が乗っているのに知っている人はなかなか見ません。たまに夜遊ぶ予定があると大抵は嬉しいです。今日は好きな後輩たちにご飯に誘ってもらえたのでとっても嬉しかったです。何を話すでもないけどダラダラそこにいていいのが幸せでした。 幸せだなって進行形で感じられることは嬉しいです。楽しい記憶は長持ちしないからたくさん感じて記録に残していきたいです。毎日があっという間に過ぎていくのだと感じてしまう今はなだらかで安定していると思います。 きちんと波に乗れています。朝起きて昼は指を動かし夜は眠れます。ありがとうとたまに言い忘れてひどく後悔します。たくさんありがとうって言いたいです。本当はたくさん感謝しているのに毎回言うと会話が成り立たないし薄まっていくようで怖いです。でも本当はたくさんありがとうった言いたいです。わたしがこんなに幸せに生きているのは周りの人が優しくしてくれているからです。ありがとう、たくさんありがとう。

毎日音楽を聴きます。何がいいのか具体的に言葉が出ないのはわたしが音楽のことそんなに知らないからだと思います。でも興味もないのでただ楽しく聴くことにしています。音楽を聴くのは好きです。なんとなく楽しいです。なんとなく楽しく、時々びっくりするくらいに胸に刺さって言葉にならないくらい複雑な気持ちになります。感受性が高くて影響を受けやすいので自分の心の波が大きく揺れすぎないようにバランスをとって聴きます。いろいろ音楽があることは選択肢があることなので大切です。 穏やかな波に乗って人生を生きていきます。たくさんの優しい気持ちといろんな選択肢と共に生きていきます。選びとっていく選択が時々失敗のようでも、それがわたしであるのでうまく処理していかなくてはいけません。 ぼくの平凡な毎日でさえ、ゆらゆら揺れてどうしようもなく、幸せが溢れては時々足りない気持ちになります。もっと大きなカップを持つ人のことを知りません。ただわたしは自分のカップをきちんと持っていなくてはいけません。どんな気持ちが一瞬生まれようと、自分の目の前を蔑ろにせずに責任を持っていかないといけないです。 毎日元気です。大きなことはそうそう起こりません。ただ流れていく日々の中で時々他人に思いを馳せます。そしてありがとうって思います。ありがとう、今日もありがとう。ちゃんと忘れないでいたいです。遠くの人のことは守ってあげられないからちゃんと手を伸ばせる範囲は守りたいです。大好きな人をずっと好きでいたいです。最近寒くなってきたねと季節を分け合いたいです。

考え始めたらキリはないけど他人の人生を変える力はありません。自分が生きていくこと、過ぎていくこと、過ぎたことを後悔し過ぎないことが大切と感じます。言えなかった気持ちのことは大切だけどやわらかくて壊れてしまいそうだから大切にしまいます。丁寧に箱に入れてしばらく仕舞っておくのがいいんだと思います。大切な人と時々寂しさを切り取ってつまみ出しては穏やかに触りたいです。本当はたくさん大きな声で泣きたいことがあっても静かにしないと多分よく眠れないので何も考えないようにしようと思います。 毎日元気です。今は寒いことしか頭にないけどそのうちまだ明るい春がきて薄着になります。そうしたらお花見をしたいです。なぜだか涙が出る季節をひとりだけのものにはできないです。幸せな日々だから忘れそうな絶望もきっとふわふわ浮いて消えないで残り続けて空気になっているといいです。穏やかな風が吹くと思います。そうしたらまた日記に書き留めたいです。